麦わら映画日和。

まったり映画を観ていこー!!

【映画】窓を覗くともう一人の自分が…!Us(アス)【感想】

【あらすじ】

2019年、アデレードは夫のゲイブと娘のゾーラ、息子のジェイソンと夏の休暇で別荘を訪れていた。寝静まろうとしたその時、家の外には不気味に手を繋いで立っている4人の家族がいた。その姿は自分たちにそっくりだった。赤い服を着て、ハサミを持った自分たちと同じ姿をした彼らは語り出した。私たちは影だとーー。

突如現れた影だと名乗る彼らに恐怖するアデレード達。彼らは一体何者なのか、目的は一体…。そして自分にそっくりな人が目の前に現れたのはアデレード達家族だけではなく、アメリカ中で自分にそっくりな人間が目の前に現れていた…。

 

 

 

自分たちとそっくりな人たちが目の前に現れて、そこからアデレード達家族やアメリカ中で巻き起こる惨劇の物語!2019年の映画でジャンルはホラー。興行収入は2億5400万ドルで、同じ監督の作品2017年公開の映画ゲットアウトとほとんど同じくらいの興行収入でどっちもかなり売れたし人気だと思うけど、Amazonレビューは560件で★3.3で、正直個人的には『意外とみんなの評価は低いのかぁ』って感じかな。他のレビューサイトでも同じくらいだから一般的な評価はそこそこなのかもしれない(・ω・)

 

 

【感想】

《良かった所》

 とにかく不気味!ゲットアウトもそうなんだけど、ジョーダン・ピール監督の作品は本当に不気味さが凄い!幽霊でワッと驚かすとかじゃなくて、サイコパスなキャラや不気味な雰囲気作り、演出が上手いと思う。他のホラー映画にはない恐怖感!もちろん役者さんの演技も上手いからこそだけど、ホラー苦手な自分はつい耳を塞ぎたくなるようなシーンはそこそこあったかな…笑

 

映画の物語的にもちゃんとシナリオが考えられて作られているし、伏線もかなりあり、ラストでもゾッとさせられるようなオチもあって映画としてのクオリティも高いと思う!

 調べてみると監督の格差社会に対するメッセージが込められていて、言われてみるとなるほどなって思うくらい深い物語になっていると思う。

 

《微妙だった所》

ゲットアウトと比べると見劣りはするかなと。ゲットアウトが個人的にめちゃくちゃ好きだからだけど、脚本自体も不気味さのピークは別荘から逃げる時くらいまでで、それ以降はホラーな感じはないかな。そして物語の展開としても、そこからはそんなに記憶に残らないような単調な感じで進んでいってる気がする。それでも物語の謎が解けていき、伏線の回収が始まって面白いんだけどね。本当にあるんじゃないかと思ってしまうようなリアルさや人間の闇とか狂気、不気味さとかもやっぱゲットアウトに比べると下がるかなぁと思う。

あとは主人公や登場キャラクターだったりの魅力が少し足りない気がしてしまう。空気の読めないちょっとおバカで明るいゲイブは人気っぽいんだけど、それでもうーんて感じ。強いて挙げるならそんなところかな。

 

 

《ジェイソンもテザード説》

自分たちとそっくりな顔をして、赤い服を着て、ハサミを持った人たちはなんなのかというと、〝テザード〟と呼ばれる政府の実験によって作られたクローン人間で、魂がオリジナルの人間と繋がっているからテザードを操って人間をコントロールしようとしたが結局実験は失敗。テザードたちは地下に閉じ込められ、そこでオリジナルの人間の行動と同調しながら生き続けていたんだけど、アデレードのテザードであるレッドが偶然か運命か、地上のアデレードと出会ってしまい、アデレードに成り代わり地上で生活し、オリジナルの人間であるアデレードはレッドの代わりに地下で生活することになる。そのレッドの行為を恨んでいたアデレードは何年もかけて今回のクローン人間であるテザード達の復讐、成り代わりの惨劇の事件を計画し、実行した。

っていうのがこの映画の真相で、今まで頑張ってテザード達と家族を守る為に戦ってきたアデレードは実はテザードだったというのをレッド自体が思い出して、ラストにジェイソンに向かって微笑むんだけど、ジェイソンはその母親を見て意味深な真顔で見つめてマスクを被るの!

単純に息子のジェイソンは恐らくそれを分かってるっていう演出だと思ったけど、よくよく考えてみるとジェイソンもテザードなんじゃね?って思った!

 

【理由①】テザードであるアデレード同様集中力がなく、コミュニケーションが苦手。

アデレードはテザードだったから最初は会話が出来なかったし、大人になった今でも会話が苦手って言ってて。ジェイソンも友達(?)の双子に変な奴って言われてて、娘のゾーラがそれに対して「ジェイソンは集中力がないの」って言ってたりとかジェイソンがちょっと変わってるっていう伏線は意味深に色んな所に張られている。

 

【理由②】プルートーが後ずさりして火の中に入っていくのをアデレードはダメ!と忠告した。

 ゲイブに止められるくらい割と強気にテザード達を殺しまくっていたアデレードの行動にしては不自然に見えたかな。直前まで車を爆発させられそうになってたしね。

 

【理由③】去年もアデレード達は家族で別荘に来ている。

じゃあいつ入れ替わったの?っていう話なんだけど、去年も同じ別荘に来ていたっていう発言があったからあるならそこかな。可能性があるならアデレードに内緒でゲイブがサンタクルーズに連れて行ったとかそんなところだろうか。去年閉じ込められたのに今年も同じように閉じ込められたり、去年出来ていたライターの手品が出来なくなっていたり、伏線じゃなかったらこんな設定必要だろうか。

ただそうだとしたらアデレード同様会話が出来ない期間があっただろうし、一年であそこまで変わるだろうかも疑問。プルートーは基本四足歩行だし、話せなくなってるしね。

 

【理由④】プルートーには火傷の跡があり、ライターに怯えていた(びっくりしていた)。

手品の物がライターなのもプルートーの火傷と関係があるのかもしれない。入れ替わったんだとしたら、入れ替わった時にテザードに火傷を負わされたのか、もしくは火遊びをしていて火傷を負い、それがあのアトラクションの中だった…とかかな。入れ替わってプルートーとなった後も話せなくなっているのも火傷によって喉が焼けたとか、その時の治療で話せなくなってしまったとかかもしれない。

 

まぁどれも個人的な意見で正解はわからないし、テザードだと自覚したアデレードにジェイソンはなんとなくテザード気付いていて意味深な顔をしたってだけでもしっくりはくるからね(/・ω・)/笑

 

 

【評価】

まぁ考察は置いておいて、そうやって色々考えられる脚本は流石だと思う。この監督の作品特有の不気味さは十分あった!おすすめではあるけど、ゲットアウトほどの出来を期待すると少しがっかりするかもしれない。メッセージ性のあるこの映画、観て損するようなことはないと思う(*'ω'*)

 

 

★★★★☆

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